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養子・里親になるための手続きと期間:全体像と具体的な流れ

Tags: 養子縁組, 里親制度, 手続き, 期間, ステップ

はじめに

養子縁組や里親制度を通じて家庭に子どもを迎え入れたいと考える際、多くの方が最初に関心を寄せるのが「どのような手続きが必要なのか」「どれくらいの期間がかかるのか」といった具体的なプロセスについてでしょう。公的な制度であるため、その流れは体系的に定められていますが、初めての方にとっては複雑に感じられるかもしれません。

この記事では、養子縁組・里親制度を利用して子どもを迎えるための全体的な手続きの流れをステップごとに追いながら、それぞれの段階で目安となる期間についても解説します。制度への理解を深め、次のステップへ進むための具体的なイメージを持つ一助となれば幸いです。

養子縁組・里親制度の手続き全体像

養子縁組・里親制度の手続きは、公的機関(児童相談所など)を利用する場合と、民間のあっせん団体を利用する場合で、細部に違いがあります。しかし、大きな流れとしては共通している部分が多くあります。ここでは、より一般的な流れとして、複数の段階に分けて概要を説明します。

手続きの全体像は以下のようになります。

  1. 情報収集・相談
  2. 研修の受講
  3. 申請書類の提出
  4. 家庭訪問調査・面談
  5. 審査会での審査
  6. 名簿登録(里親)または家庭裁判所への申立て・審判(養子縁組)
  7. 子どもとの交流・試しに一緒に暮らす期間(交流・委託)
  8. 正式な委託開始(里親)または養子縁組の成立(特別養子縁組など)

これらのステップを順に進めていくことになりますが、それぞれの段階でかかる期間は、個々の状況や制度の種類、利用する機関によって異なります。

各ステップの詳細と目安期間

1. 情報収集・相談

制度に関心を持ったら、まずは情報収集から始めます。自治体のウェブサイト、説明会への参加、関係書籍を読むなど、様々な方法があります。ある程度情報が集まったら、公的機関である児童相談所や、関心のある民間のあっせん団体に連絡を取り、個別の相談を行います。

2. 研修の受講

制度を正しく理解し、子どもを迎えるための心構えや知識を身につけるために、研修の受講が義務付けられています。研修は基礎研修と専門研修があり、里親の種類や養子縁組の形態によって、受講が推奨または必須となる研修が異なります。

3. 申請書類の提出

研修を終え、制度利用の意思が固まったら、申請を行います。必要書類は多岐にわたり、住民票、所得証明書、健康診断書、家庭状況報告書などが含まれます。

4. 家庭訪問調査・面談

提出された書類に基づき、担当職員が家庭を訪問し、生活環境や家族構成、子育てへの考え方などを確認します。申請者や家族との面談も行われます。

5. 審査会での審査

提出書類、研修受講状況、家庭訪問調査の結果などを総合的に評価するため、専門家からなる審査会(認定委員会など)が開催されます。ここで里親としての適格性や養子縁組の要件を満たしているかなどが判断されます。

6. 名簿登録(里親)または家庭裁判所への申立て・審判(養子縁組)

審査を通過すると、里親の場合は里親名簿に登録されます。養子縁組(特に特別養子縁組)の場合は、家庭裁判所へ養子縁組の成立に向けた申立てを行い、審判を経て成立に至ります。

7. 子どもとの交流・試しに一緒に暮らす期間(交流・委託)

名簿登録や申立てが完了した後、子どもとのマッチングが行われます。適切な子どもが見つかったら、まずはお互いを知るための交流期間(面会など)を経て、その後、実際に一緒に暮らす期間(里親の場合は委託前養育、養子縁組の場合は試験養育期間)が設けられます。

8. 正式な委託開始(里親)または養子縁組の成立(特別養子縁組など)

試しに一緒に暮らす期間を経て、子どもと申請者の双方が安定した関係を築けると判断された場合、里親の場合は正式な委託が開始されます。養子縁組の場合は、家庭裁判所が養子縁組の成立を審判し、これが確定することで法的に親子となります。

全体の目安期間について

上記の手続き全体を通して、制度利用に関心を持ってから実際に子どもを家庭に迎え入れるまでにかかる期間は、短い場合でも1年程度長い場合は数年に及ぶことも珍しくありません。特に、子どもとのマッチングには時間を要することが多く、希望する子どもの年齢や性別、特別な支援が必要かなど、様々な要素によって期間が変動します。

手続きをスムーズに進めるために

まとめ

養子縁組や里親制度を利用して子どもを迎える手続きは、いくつかの段階を経て進められます。情報収集から始まり、研修、申請、審査、そして子どもとの交流や試しに一緒に暮らす期間を経て、最終的に委託や縁組の成立に至ります。全体として1年以上の期間を要することが一般的ですが、個々の状況により変動します。

このプロセスは、子どもにとって最善の環境を提供するための大切なステップです。手続きの流れと期間を理解することで、具体的な見通しを持ち、計画的に準備を進めることができるでしょう。不明な点や不安なことは、必ず関係機関に相談しながら進めてください。